夫婦そろって仕事をリタイアして時間がたっぷりできたので、いままで訪れたことのなかった青森県を2週間かけてガッツリ旅行してきました。
青森ツアーの6日目はぐずついた天気の中、青森市から下北半島のむつ市に移動しながら観光します。
今日訪れる3か所目は、六ケ所村にある「六ケ所原燃PRセンター」です。
(青森ツアー(6日目・その2:浅虫温泉) からの続きです)
「六ヶ所原燃PRセンター」は、青森県上北郡六ヶ所村にある日本原燃が事業を行う原子燃料サイクル(再処理、放射性廃棄物処理、ウラン濃縮、MOX燃料製造など)の役割や仕組みについて学ぶことができる施設です。

かなり強い雨が降っています。





まずは3階の展望ホールです。


晴れていたら近くにある再処理工場なども見えたのですが、雨で霞んでほとんど見えませんでした。
続いては2階の「サイクルステーション」
ここではパネルやモニターを使って、放射線やエネルギー・環境問題、原子力発電に関する説明があります。





高速増殖炉(FBR)は実現するんでしょうか。

これだけ考えられていても、冷却が止まったことで発生した福島の事故は想定外だったんですね。

PWRとBWRでサイズ感がずいぶんと違うんですね。
再処理では、この燃料集合体を冷ましてちょん切るところから始まるんですね。
続いては、1階、地下の「原燃ツアーズ」です。
ここでは「再処理工場」「ウラン濃縮工場」「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」「低レベル放射性廃棄物埋設センター」について大型模型やモニター・パネルなどを使って説明しています。


原子力発電所から輸送容器(キャスク)に入れて運ばれてきた使用済み核燃料は、燃料貯蔵プールに沈められて十分に冷却して放射能が弱まったら、クレーンで燃料棒をちょん切る「せん断機」に運ばれます。



ちゃんと青くしてチェレンコフ光を表現していますね。

さっきのクレーンでせん断機に運ばれた燃料棒は3~4cmの長さにちょん切られます。



硝酸溶液に溶け込んだ「ウラン」「プルトニウム」「その他核分裂生成物など(高レベル放射性廃棄物)」を「パルスカラム」という溶媒抽出装置を使って分離します。

ミキサセトラという溶媒抽出装置を使って、硝酸溶液にわずかに残っている核分裂生成物を取り除きます。

ウランとプルトニウムが溶けた硝酸溶液を脱硝して、ウランとプルトニウムを取り出します。

脱硝して粉末状になった「ウラン酸化物」「ウラン・プルトニウム混合酸化物」をステンレス容器に入れて保管します。
これらの製品は、ウラン転換工場やMOX燃料工場に運ばれて、再び核燃料として利用されます。

分離・精製の段階で取り出された「核分裂生成物」などは高レベル放射性廃棄物となるので、安定化のため溶かしたガラスと混ぜてステンレス容器に入れて冷やして固めます。
以上が核燃料再処理の大まかな工程です。


この再処理でできたMOX燃料を原子力発電所で使うことを「プルサーマル」といいます。
早く六ヶ所再処理工場が稼働して、原子燃料のサイクルが回るといいですね。
(在職中に再処理工場向けのシステム開発をしましたが、稼働するのを見ることができなかったのは残念です・・・)
六ケ所原燃PRセンター見学のあとは、むつ市にある温泉に向かいます。
(青森ツアー(6日目・その4:むつ矢立温泉) に続きます)


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