今から30年近く前に北海道のHTBで放送されていた、マニアの間では今でも伝説の番組と言われている「水曜どうでしょう」という番組がありました。
その番組の企画で
「引いたカードに書かれている北海道の市町村を車で訪れて、その市町村のカントリーサイン(市町村の境界を示す看板)を見つけたら、次の行先の市町村をまたカードを引いて決める」
というのを繰り返して2泊3日で全ての市町村の「カントリーサイン」を見て回るという「北海道212市町村カントリーサインの旅」というものがありました。
「水曜どうでしょう」好きの私としては、その企画を見て兵庫県でカントリーサインの旅をやってみようと思い立ったのが今から20年近く前でしたが、当時は時間もあまりなかったこともあって中断していました。
で、夫婦そろって仕事をリタイアして時間ができたので、カントリーサインの旅を再開しようということになり、せっかく時間もあるので、ただカントリーサインだけを見てまわるのはもったいないので、その市町で観光できそうなところがあればそこも訪れる形でやり直すことにしました。
ということで、兵庫県41市町カントリーサインの旅の第26弾です。
(兵庫県41市町 カントリーサインの旅(その25:たつの市 その2) からの続きです)
No.12 たつの市
うすくち龍野醬油資料館
たつの市はうすくち醤油が有名ですが、以下のような理由があります。
- たつの市を流れる揖保川の水は、うすくち醤油造りに適した鉄分の少ない良質な軟水
- 醬油の原料となる小麦・大豆・塩が手に入りやすい地理的条件
- 江戸時代から藩主脇坂氏がうすくち醬油の生産を奨励しており、大阪や京都では素材の色や味を活かす料理が好まれることからうすくち醤油の需要が高いという歴史的背景
このような要因でたつの市はうすくち醤油の産地として発展し、現在でもヒガシマル醤油をはじめとして多くの醤油蔵が存在します。
そして今回訪れる「うすくち龍野醤油資料館」はそんな歴史を紹介する資料館で、ヒガシマル醤油が運営されています。
その「ヒガシマル醬油」とこの「うすくち龍野醤油資料館」ですが、元々「菊一醤油造合資会社」の本社として建てられたもので、その後「浅井醤油合名会社」と合併して「龍野醤油株式会社」となり、さらに「ヒガシマル醤油株式会社」と改称してからも本社として利用していたもので、国の登録有形文化財に指定されています。

歴史を感じさせる建物ですね。


この石は醬油造りの際の作業台として使用されていたものだそうです。

なぜ10円と思いましたが、「ご縁の重なる重縁」ということだそうです。


醬油造りの説明を見た後だと、この流れがよく理解できます。


石炭炊きでした。


この後、醤油造りに使用していた道具が展示されています。


これで大豆を炊いて、米を蒸していました。
左が大豆用、右が米用だそうです。

小麦を炒ってひき割りしやすくして、小麦のデンプンが麹菌の酵素の働きを受けやすくします。


ここで醤油麹が造られます。

これに混ぜ合わせた大豆と小麦に種麹を撒いて醤油麹が造られます。


麹蔵でできあがった醬油麴と塩水を入れて発酵熟成をして醪をつくります。

できあがった醪と甘酒を入れます。

醪と甘酒が入った搾り袋を搾ります。
搾りたてのものが「生醤油」で、それを加熱してから容器に詰めてうすくち醬油の完成です。

造られる醤油の品質検査・管理が行われていました。









当然ですが、今とはずいぶん価格が違いますね。
「うすくち龍野醤油資料館」で醤油造りを勉強したあとは、「龍野城」に向かいます。
(兵庫県41市町 カントリーサインの旅(その27:たつの市 その4) に続きます)
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